改訂:2002.05.21
初出:2002.05.15

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■それは遠い未来。
 人が、その生活圏を宇宙へと広げ、その可能性を、無限の中にたゆたう希望という名の最後の楽園の中に見いだしつつある時代。太陽系は狭く、銀河には果てがあり、そして時間には終わりが無かった。
 人が限られたものである以上に命は有限で、けれど知に限りは無く、人類は、外宇宙をその新たな生活圏としていたのだ。

「なんだろう?」
 ふと感じたざわめきに、彼は違和感をおぼえた。
 スクリーンまったのだろう?濃密な宇宙の色は、全てを飲み込むような暗がりと、それの外には、見慣れた星々の瞬きがある。いつから当たり前の景色になってしを許さない光あふれる命の躍動、星々の息づきで出来ている。
 けれど、その生は本物だろうか?生とは命を育むものだ。だが、人類はまだ異なる人類に出会ったことはかつて一度もない。いや、正確には一度も無かった。本当に息づく者は太陽系にのみ存在し、それ以外ではまだ発見されてはいなかったのだ。ちょうどこの静寂のように。

 そう、だがそれも過去のことになってしまった。人類が夢見続けたファーストコンタクト。人類にとってのその夢は、最悪な形で現実となる。月基地で極秘に建造された最新高速戦闘機「BN-1」を必要とするほどに。

 彼はBN-1の狭いコクピットの中で、次の瞬間には始まるであろう戦闘を思い、操縦桿を握りしめた。直後、明らかに星の瞬きとは異なる輝きが近づき、間一髪でかわしたソレは、わずか後方数キロのところで爆散する。回避行動。
「……間違いない、奴等は敵だ!」

 惑星アギオス。人の歴史は、まだ終わらない……。

■システムポリシー
 ふう、ひさびさなんで、ちっとも言葉が出てこないや。ハードでクサくやろうと思ったんだけど(笑)。
 勝手にプロローグを拡張しちゃってすみません(^^;。

 まあ、シューティングゲームっていうのは、不思議とドラマ性も重視されるような傾向にあると思いますが、SFノリのバックグランドとか、戦闘における悲哀なんかが哲学されやすいからなんでしょうね〜(^^;。<何言ってんだか。

 さて、戯れ言はこれぐらいにして、本編の紹介にうつりましょう。

 とにかく最初の印象から、すごいインパクトがありました。それは、別にいろんなゲームを知っているから、とかではなく、Zaurusというハードや944BASICというアプリケーションのポテンシャルを侮っていたからだと、今ならわかります。

 つまり、944BASICで作られるアプリケーションの限界を、かなり見誤っていた部分。これだけの要素が詰まって、これだけ遊べる速度が稼げるとは、個人的にはまったく思っていませんでした。

 各種敵ユニット。これがまたそれぞれ動きと攻撃方法に特徴があっておもしろい。また、ステージ変化、グラフィックの美麗さもありますが、障害物がしっかり機能していたり、お約束のBOSSアタックがあったり、おまけに、自機の攻撃システム……ポイントが多いです。

 Zaurusという限られたハードは、たとえば3ボタン以上の押下判定が正しくなくなるなどの制限があり、決してシューティングゲームが動きやすい環境とは言えない部分があります。

 ところが、通常弾は自動撃ち、必殺技は「ルーク、フォースをためろ」って感じでメーター一杯になったら使える、自機に関しては残数ではなく、ライフ制にしている、などなど、HARDの制約なんかくそくらえ!って感じで、うまく折り合いをつけた仕様でゲームの起伏感を出し、おもしろさを効果的にしていると思えます。

 また、作者の拘りが見えるのも良いですね。たとえば、自機の通常弾なんかは、まあ、普通に前に飛んで行けば良いと思いますが、画面前方に行くと、後方へ発射するように自動で切り替わったり、発射後、そのまま飛んでいくのではなくて、ワンクッション置いて加速するような動きがあったりと、細部のディティールがカッコ良いです。
 真・完成版で追加されたOpening Title。ラスタースクロールという往年の名機能を使った炎の動きがステキ!MEGADRIVEとか思い出してシビレます(笑)。
 そして、DEMO。こんなの(といったら失礼ですが)無くても全然問題無いと思うんですが、これがあることで、より完成度を感じさせるし、なにより、普段自分がゲーム中は、なかなか余裕が無くてチェックできない背景や敵の動きを、ゆっくり落ち着いて見れるのが楽しいでしょう。
 BGM!ZAURUSは、この点でも貧弱です。まともに音源を積んでいないからです。それでも、ゲームの必要不可欠と言われる一要素、BGMがあるなしで、ゲームの臨場感がずいぶん違います。というか違うハズです。……ごめんなさい〜、適当なWAVファイルが用意出来てないんです〜(^^;。余裕できたら、昔のゲーム音楽でも入れてみたいところなんですが……。
 全3面で、各面には3種類の通常敵と、1種のBOSS敵が存在し、それぞれが特徴を持った性格をしているというのも楽しい。数パターンずつの絵を持ち、動きのある敵キャラは、存在感があります。戦闘シーンでは、その特徴を念頭に置いて戦闘方法を練ってみると良いようで、その辺りも2Dゲームを良く知っていると感じさせる作者の拘りが、いかんなく詰め込まれているのでしょう。

■ブレイクダウンステージ
 それでは簡単に面毎の特徴を見てみましょう。

 一面は、コナミの名作シューティング「グラディウス」を彷彿させるような、スタンダードなシューティングシーンというイメージがありますね。E21においても、決して高速とは言えませんが、シューティング要素をこれだけ詰め込んでほとんどストレス無く動作するのは驚嘆です。
 背景とは別に、障害物があり、触れてはいけませんし、弾も貫通してきません。よって、攻略コースを選べるとでもいった感じの選択も出来ます。
 この面では、爆撃機タイプの飛行はゆっくりだが弾をばらまいてくるヤツ、ロボット足タイプの戦闘歩兵、急襲戦闘機、といった性格付けの3種の通常敵があります。特にロボット足タイプは、障害物上に下りるとちゃんと歩きます(笑)。急襲してくる戦闘機は、拡大からカットインしてくるような動きでスピード感がありますね。
 そしてBOSS敵!画面の三分の一を占める大きさのロボット型。他のキャラクタもそうですが、デザインうまいです。攻撃形態も、通常弾のバラまきから、強力な(?)ビーム斉射など、手強わそうな演出もナイス。パターンを見切ればそれほど強くないBOSSも、最初はとても強力に感じました。

 二面はもともと高速面との予定だったようです。確かに一面に較べてSPEED感があります。多重スクロールで画面に奥行きがあるのも雰囲気作りに一役買っているでしょう。背景のグラフィックスも美麗です。一面に較べて、いささかパターン変化に乏しいのですが、ロボット型の敵、ロングレンジビームを撃ってくる敵、弾を撃ってくる隕石(?)など、やはり楽しめる出来になっていますね。
 この面の最大の敵はもちろんBOSSです(そりゃそうか)。一面のBOSSに較べて、よりアグレッシブな戦闘イメージがあります。パターンに持って行ければ、それほど難しい敵では無いのかもしれませんが、画面全体を覆うほどのワイドレンジビームを撃ってくるので、あたふたしていると、すぐ撃墜されてしまいます。自分も、何度このBOSSキャラと戦い、散っていったことか……(^^;。基本的には一面のBOSSと同じ、バーニングフォースアタックを使った、円運動攻略なんですけどね〜。

 そして、最終第三面。超巨大な戦艦がラストBOSSになりますが、出し惜しみしません。開始直後から出現し、雑魚キャラにマジって画面上で精一杯存在感をアピールします。この面も戦艦から飛び出してくる艦載機、格闘用ロボット、一撃離脱型ロボットの3種が敵となって攻撃を仕掛けてきます。拡大縮小機能を使った演出は絶品で、個々の敵役の性格付けが最終面までおもしろくさせていますね。
 戦艦の艦橋部分が、一応弱点のようです。いままでのBOSS以上にライフゲージが大きく、倒すのも一筋縄ではいきませんが、確実にライフゲージを削ってやることで倒しましょう。戦艦が、さも接近してくるように巨大化し、後方からスラスター全開シーンなどを経て、艦橋が拡大されている瞬間が攻撃のチャンスです。
 ズーミング時は圧倒されるものがありますが、実はこの面も落ち着いてやればそれほど厳しいわけではないと思います。

■ゲームバランス
 駆け足で、面毎にチェック入れてみたわけですが、自分の難易度設定はNormalです。この場合、自分はそれほどシューティングゲームが得意なわけではないのですが、ちょうど良い感じに思えました。新しい展開ごとに脂肪して、再度、何度かリトライすることで攻略できていくという感じ。

 各種敵キャラの性格付け、グラフィック、この二つをうまく融合してアプリを作れる人は、結構希有な存在だと思います。ともすれば、キャラクタのグラフィックに走るあまり、戦闘シーンでは戦闘がパターン化されて、もうひとつ再挑戦する気が起きなかったり、動きは良いのだけど、画面的には寂しかったりと、そういったものは多いですが、これだけ高い次元で結集できるのは、そうそうありません。

 そして、やっぱり、そこを最大限に引き出しているのはゲームバランスだと思います。難しすぎず、簡単すぎず、再挑戦しよう!とさせる気になるのは、最終的には、やはり、ゲーム内容、そしてゲームバランスなんだろうと。
 次やればさらに先へ進める、そう感じさせるレベルを保ちつつ、そう簡単には先にいかせない、この絶妙な間を設定するのが何より難しいのではないかと思います。もちろん、個人技量の差っていうのもありますから。

 そして、最終的に本作では、ゲーム何度の調整機能も付き、広く遊べるレベルを確立したんじゃないかと思います。とりあえず、自分はノーマルでしか遊んでいないんですけどね(^^;。

 敵にはそれぞれ性格付けがあると書きましたが、なればこそ、対策というのもあって、例えば、追って行って倒すヤツ、寄ってくるのを待ち伏せすれば良いヤツなど、それが攻略の醍醐味かもしれませんな〜。

 そして自機の特徴、バーニングフォースシステム。
 これは一定時間立つとフォースが貯まり、それを一気に爆発させて(?)、自機の直線上の敵を倒す必殺技です。まあ、勇者ライディーンで言えば、科学忍法火の鳥って感じですね(それはガッチャマン……)。
 自機が高速加速し、直線上の敵をなぎ倒すというものですが、これにさらに、衝撃を受けた直後に発動すれば、カウンターアタック的に、画面上の敵全部をなぎ倒すことができます。
 一定時間貯めないと使えない、ということで、戦略的な使い方が要求される部分があるのですが、そこが良いんですね。また点数をかせぐためには必須です。この機能を使って破壊するとボーナスがたんまりもらえるので(^^;。
 また、BOSS戦では、本機能をうまく使うとかなり楽に攻略できたりといったこともあります。

 こんな感じで、機能としては、従来のシューティングゲームで見られる部分が多々あるものの、Zaurusとしてはひじょうに完成度の高い、Zauゲームを代表する2Dシューティングゲームにもなっています。

■攻略について
 バーニングフォースシステムは、諸刃の剣です。一度使用すると、再使用まで時間がかかるからです。絶対絶命の危機を切り抜ける強力な必殺技ですが、使えなくては意味ありません。
 とすると、普段は温存しておいて、本当にヤバイ局面までとっておくべきなのでしょうか?

 答えはいいえ、だと思います。もちろん人によると思いますが、むしろ積極的に使った方が良いように思えます。もちろんそれは無駄に使うわけではなくて、ちょっとした場面でも使っていった方が良い、という意味です。下手に貯めていると使うタイミングを逃したりしますし、何より高得点はねらえません。
 むしろ、積極的に使うことで、危機的状況までなかなか追い込まれないようにすることが肝要でしょう。
 そうそう、画面後方から発動すると、前面部の敵を倒しますが、これ、画面最前端までは掃討してくれません。突き進む距離が決まっているようです。対して、前方位置から発動した場合は、最後方まで効果があるので、そのことを頭に入れつつ発動した方が良いでしょう。

 そして、衝撃があったときのタイミングで使うと全画面の敵を落とせるカウンター的なですが、無理に狙う必要はありません。かなり慣れてきてから使う方が良さそうです。狙っても最初の頃はなかなかうまくいかないので。一面だと、壁のような障害物に自機を突っ込ませるタイミングを使うと、かなり簡単に出せますから、これだけはマスターしておくと良いかも。

 本当は、いろいろ攻略方法も書こうと思ったのですが、前述の通り、やり込めば決して倒せない敵、クリアできない面はありませんので、この辺りにとどめておこうと思います(^^;。

 ちなみに、思ったほど時間取れていなくて、偉そうなことを書きつつ、実は通しでクリアしたことはありません(^^;。最高点は8万点弱だったと思いますが、全3面を通しでクリアできれば、8万点越えはぜんぜん夢ではありません。がんばってくださいね〜。

■最後に
 まだ944BASICは登録開発者用のβ前のVersionです。その段階で、これだけのモノが登場するというのは、かなりびっくりです。944BASICの初期でこれだけのモノが出てくるというのは、そのポテンシャルの良いデモンストレーションにもなりますが、反面、これ以上のものって、今後そう簡単に出てこなさそうという不安も合ったりします(^^;。

 とはいえ、意欲満々で次回作を匂わすUMIPIさんには、今後も期待せずにはいられませんね!


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