EX1分解起動NG事件

2001/01/22


■ 分解の目的
ようは、以前から言っていたクロックアップのアタリをつけること、それから、TR1の筐体がEX1にはまるのかを簡単に検証してみよう、という意図からです。普段の自分ならそんなことは絶対にやらないのですが、Zaurus系のWebマスターの血がそうさせたのか、気軽に始めてしまいました。
そもそも、普段ならそんなことはしない理由として、めんどくさがり!をあげることができます。スキルが無い、ということではないようです。って自分に対して「ようです」も無いですが。仕事柄、PCみたいなものの分解等は得意なほう?なので。 ちなみに、この得意という気分は、テクニックとかの面ではなくて、精神的なものです。つまり、分解することに対する自己責任的恐怖感が麻痺しているという……(^^;。
あ、ここでの記事を鵜呑みにして実際にやっちゃったりなんかして失敗しても知りませんよ。っていうかいつものごとく、自己責任ですからね〜(^^;。
■ とりあえず、ネジはずし
一度、分解したことはあるのです。そのときも、クロックアップする振動子の確認をしようと思っていたのですが、そのときは、液晶とメイン基盤の二つのフレキシブルケーブルをはずすことができなくて、隙間から確認したにすぎませんでした。
今回は、基盤がはっきり見えるところまでは分解したいなー、という気分。ネジは、短いネジが9本。長いネジが7本。合計16本です。短いのは、バッテリ下の黒色5本、筐体側面の4本に分けることができます。このとき、PCカードスロットを抜き出すための、折り畳みの突起部を起こさないと、1本は見えません。忘れないようにしましょう。
ちなみに、ドライバは「精密ドライバの+00」を使うとちょうど良いようです。これより大きかったり小さかったりすると、ネジ穴をなめてしまいやすそうなので気を付けましょう。
■ 筐体ばらし
ネジを16本すべてはずすと、筐体がぐらぐらしますが、簡単には外せません。最初悩んだのですが、EX1をフォールドする部分の上下あたりに鍵爪があるようです。筐体を側面から押してみたりすると良いかもしれません。自分は強引にひねったりしているうちに外せました(^^;。ちょっと怖いですが、慣れるとこっちの方が楽なような気がします。
筐体は表側と裏側と二つのプレートに分けられますが、裏側のプレートには、電池のロックスイッチ、オプションポート16の蓋部の3つのプラスチック部品があります。はずせた瞬間にバラバラっとこぼれてしまうかもしれませんので、最初あけるときは、裏側を下にしてそっとあけると良いかもしれません。まあ、バラバラっとこぼれてしまっても、取り付けはだいたい想像が付きますので、あわてなくても大丈夫だと思います。
この時点では、表側の筐体と、液晶/メイン基盤のユニットは合体したままです。裏側筐体だけはずします。
 
■ さらにネジはずし
液晶とメイン基盤を、さらに2本の短いネジが止めています。このネジは、筐体側面のネジ穴金具をとめる役目もしています。この2本をはずすと、メイン基盤と液晶部が分離するので扱いに気をつけましょう。また表側の筐体もはずれやすくなり、細心の注意が必要です。
■ フレキシブルケーブル
メイン基盤とスクロールボタン類をつなぐフレキシブルケーブル、タッチパネルとメイン基盤をつなぐフレキシブルケーブル、それから、モデム端子部をつなぐフレキシブルケーブルの三つが、基盤に向かって右上に見えます。
モデム部のフレキはメイン基盤に半田付けされているので、このまま気にしないことにします。
ボタンからくるのは白いフレキです。端子接続部には、フレキを噛むコネクタがありますが、このコネクタの左右の出っ張りをケーブルの方向に向かって引っ張ると、フレキがはずれるようにコネクタに隙間ができます。これで軽くフレキシブルケーブルを引っ張ってやると抜けます。
同様にタッチパネル部につながっているフレキシブルケーブルも同じようなコネクタ構造なので、左右の出っ張りを引っ張ってはずしていやります。こちらのフレキシブルケーブルは、セロハンがはりつけてありますね。
さて、ここまでやると、基盤と液晶がはずれかかりますが、実は、液晶と基盤の間にはまだ二つのフレキシブルケーブルがつながっているのです。基盤に向かって左上側のフレキは、操作メニューやカード切り替えなどのHWキーにつながるケーブルです。これは、フレキシブルケーブル自体に出っ張りがあるので、そこをピンセットなどでつまんで強引に引っ張ります。はい、抜けました(^^;。
これで、液晶と基盤の間につながっているフレキシブルケーブルは一つになりました。液晶面を下にして、メイン基盤を手前側にぱたっと広げるようにめくってやります。ほーら、CPUさん達が現れました(^^;。なお、メイン基盤と液晶をつなぐこのフレキのみ、はずし方がよくわかりませんでした。そういえば、こういう小物電子デバイス系は、あんまり扱ったこと無いんだよなあ。
■ 目標物発見&撤収作業
CPU面の中央に、14.74と刻印された白っぽい3端子のクロックらしきものがあります。こいつを交換してやることで、クロックを変更できるのではと思います。ただ、かなり近傍に小さい砂利(チップ抵抗とかみたいなの)があったりして、手持ちの半田ゴテでは厳しそうでした。コテ先がもっと細くないと。ファインピッチな304pin QFPのLSIぐらいなら交換したこともありますが、こういうときは無茶はやめましょうね〜(^^;。
また、変更用のクロックが、もともと載っていたクロックとほぼ同じ大きさなら良いですが、そうでない場合は、配置場所も良く考えないといけません。一般的にはこんなに小さいクロックってなかなか見かけませんので、もっと大きいクロックを配置することになると思います。筐体内にちゃんと納まる場所をみつけてやらなければならないのです。また、万が一のときに、元のクロックに戻せるように切り替えスイッチを付けた方が良いでしょう。
と、いろいろ考えると、今回はここまでかな〜と、撤収作業に入りました(^^;。分解した部分を元に戻します。HWキー部のフレキシブルケーブルのみ、フレキシブルケーブルの出っ張りを利用して、力業で強引にはめ込み、その他の部分も分解した手順と逆のやり方で組み立てます。ちなみに、以前分解したときに気づいたのですが、モデムのフレキシブルケーブルのケーブリング、間違ってましたよ。>シャープさま(^^;。
さて、とりあえず、これで一段落、と思ったのもつかの間、ここからが今回のメインのお話なのです(^^;。
■ な、なんだ、このペンの軌跡は?!
それはざうすけを使っているときのことでした。直線が波打つのです。上から下にまっすぐ一本の線を書きます。すると左右にジグザグに、勝手に張り出した線が書けます。これはびっくり。
よくタッチパネルを破損すると、書いた線が、びみょーんと勝手に変な方向へ伸びたりしますが、同じような現象です。それも必ずではなくて、しばらく大丈夫な時間があったり、ふと、いきなり再現したり。とりあえず、基本機能の設定から、タッチパネルの調整を試みます。治りました。しかし、やっぱりしばらくすると、同じ現象が再発したりします。これは、タッチパネルのフレキシブルケーブルの接続が甘かったのでしょう。ケーブリングが悪くて、変なノイズを拾ってしまっているのかもしれません。
めんどくさがりなんですが、しょうがないので、もう一度分解して、フレキシブルケーブルを慎重に接続しなおしました。さあ、これで大丈夫でしょう。と思ったら……
■ 電源ONしないザマス!
組み立て終わり、ロックスイッチを使用時側に倒します。ところが、反応無し。高周波っぽい音も無しで、液晶が点灯していないだけ、というわけでもなさそうです。これは完全に灯が入っていない状態?っぽい。
正直ちょっと焦りました。ああ、TR1買っておけば良かったな〜とか、修理出すときどうしよう、とか、です。まあ、でもここまではそれほど真剣には考えていなくて、もう一回バラしなおすことに、非常におっくうな気持ちでいっぱいでした。
しかし、もう一度組み立て直しても、まったく反応無しです。さすがにパニクりだしました。
コイツはマジでやばい。さきほど、半田カスみたいなゴミがあったヤツを捨てたのが悪いのだろうか?それともばらし中に、絨毯に落っことしたのがまずかったか?いやいや、フレキを折り曲げちゃったのがまずかったんじゃないかなあ?やばい、心あたりがありすぎる!(笑)。TR1、本気でまだ売ってないかな〜?修理するとしたらいくらぐらいになるんだろうか……。
この時点で、相当本気で焦りまくり(^^;。もし修理に出した場合、いつ戻ってくるのだろう?とか、修理依頼するとき、どうやって説明しようかな〜などなど。それに明日以降More試せないからサイト閉鎖しとこうかな〜とか(^^;。オイ
■ 冷静一番
こういうときは、とりあえず心を落ち着けましょう。意識して冷静になれば、なんか知恵が浮かんでくるものです。>ホントか?(^^;
まず思いついたのは、部品の欠落でした。よくよく考えると、ロックスイッチは、それなりに何か基盤上のスイッチと連動しなければならないはずなのに、基盤を見る限り、それらしきパーツが無いのです。で、何か、スライダーにつながるショート部品などが落っこちたのでは?と疑いました。で、そういやさっき分解写真撮っておいたな〜と、デジカメの画像をPCに転送して見てみます。……だめだこりゃ……肝心の部分はピンぼけ〜(^^;。なんとなく、別パーツがあるようにも見えるし、無いようにも見える、と。
今度は、さらに、ロックスイッチ部がぶつかるパーツを子細に観察してみます。すると、ある部品の下側に、丸っこい棒の先端部分みたいなものが見えます。説明は難しいのですが、言ってみれば、ペン先のような丸い、明らかに稼働部らしきものがあるのです。触ってみたり、なんとか引っ張り出せないかと考えます。両面テープで貼って出そうかとか、針みたいなもので掻き出せないかとか。
しかし、そのうち、プッシュリターンなやつかな?と思い至りました。試しに、ピンセットの先で、ポンっとはじいてやります。すると、やはりというか、舌が出るようにびよーんと棒みたいのが伸びてきたではないですか(ちょっと太めのシャーペンの芯ぐらいの太さ)。長さは5ミリも無いぐらいでしょう。とにかく、こいつがロックスイッチに連動する何かに違いありません! この状態であわてて組み立てに入りました。
■ 人間、普段の行いだよ、うんうん
というわけで、ネジを仮止めして、バッテリを入れてやったところ、あっさり電源ONするじゃないですか。ペンで書いたときも、さきほどのような変な動きはしなさそうです。いやあ、良かった良かった。やれやれの一安心。
結局、はっきりした理由はわかりませんが、上記ロックスイッチが、分解状態のとき、なにかの拍子に触れて、動作側に設定されていてしまったのでしょう、たぶん。けれどもバッテリは入っていないので、うまく電源ON時設定との排他制御が成り立たなかったのかと。っていいかげんなこと書いてますけどね(^^;。
ま、組み立て前に一度、ロックスイッチ部の部品の舌がちゃんと伸びているか確認が必要という良い教訓になりました(^^;。まあ、これもひとえに普段の行いが……バキ。
もう一つの目的、すなわちEX1にTR1の筐体を履かすことですが、十分可能なようです。作業的にも、今回の教訓をふまえて行えば、なんら恐れることはなさそうです(^^;。
ただし、一点だけ問題になるような……。
お気づきかと思いますが拡張ポートです。デジカメユニットをつなぐ拡張ポートは、TR1ではふさがれていたような記憶があります。うーん。とすると、目指すはツートンカラーでしょうか?表側筐体はTR1で裏側筐体はEX1、と。
えー、格好悪いような気がするな〜??(^^;

[Return to Top] 文責:Kei