大型二輪講習日記特別編 Part1
免許取得を目指していた当時のトラブル!(^^;

 目が覚める。
 体がだるい。
 湿っぽいからだ。
 寝床の中から耳をすます。
 かすかにしとしと音がする。
 雨の日曜日。
 今日も、大型二輪の教習がある。
 ドライコンディションを祈ってたってのに。。。
 てるてるぼうず(これって照る照る坊主なのかな?)も効かなかったか。
 うらめしい気持ちで窓辺のてるちゃんを小突く。
 レインマン復活だろうか? 今年前半は超晴れ男だったのに。。。
 雨だと、教習所きっついなぁ。
 でも当日キャンセルはキャンセル料金取られるし。。。
 運を天にまかせて、いっちょやったるかい!
 そう、あの雨の惨劇は、こうしてはじまったのです。

 降ったり、やんだり。
 ちょうどでかけるときには、雨がやんだ。

 ふん、やっぱり晴れ男かな。

 もしまた降り始めても、今日こそは自分の雨装備で教習受けたいってんで、入念に雨装備チェック。

 雨なので、いつものタンクバックは使わずに、いっさいがっさいを入れたリュックをビニール袋に入れて、バイクの後ろに積む。上から網ネットで固定。
 ちょっと緩めだけど、まあ、今まで落ちたことないし、ちょっときつめにしておけば大丈夫だろう。
 ああ、今思えば、このアバウトさが……

 エンジンをかける。
 少しかぶったように調子が悪い。
 バッテリーが死にかかってるんだ。
 でも、交換してから1万キロも走ってないんじゃないか?
 どうもエンジンそのものも、いまいち調子悪いような。

 そういえば、フロントタイヤ、スリップサインどころか完全に溝がなくなっちゃったなー。
 雨だと、ずるずるいきそう。気を付けなくっちゃ。

 暖気後、発進。

 自宅からは、約30分で教習所までつく。
 某大学(八王子)の割と近くだ。(笑)

 今日は雨だから、45分くらいはかかるかな。
 少し、時間ないかもしれない。
 急いだ方がいいな。

 西の空がちょっと明るくなってきた。
 ラッキー。

 でも。。。
 少しずつ、前方が霧のように視界がぼやけ、小雨がぱらついてくる。

 雨装備装着しようかな。。。??

 でもこれぐらいだったら、まだいいか。
 少し体を低くして、バイクのカウルに身を隠すようにする。
 カウルから出ている肩だけが、湿っていく。

 いつものようにMD walkmanから流れてくる音楽が、雨の滅入った気分を吹き飛ばしてくれるようだ。

 前日、編集したばっかりだった。
 The gardensが今回のお気に入り。
 不定期で発行しているEDA collectionこと、MY BEST Singlesにどんなレビューを書こうかなあと、ちょっと考えながら操縦。

 気が付くと、昭和記念公園の前の道で、後ろから白い車があおってきている。
 無視して速度を制限速度+9キロに設定。
 ここは警察が多いんだよ。白バイもパトも覆面も。
 その道を抜けると、一気に加速。
 白い車は後方。

 でもあれ??
 バックミラーを見てちょい疑問。
 あまりに遅すぎないか?
 姿が見えない。。。あ、やっと曲がってきた。
 まあ、いいや。

 踏み切りを越えて、新奥多摩街道へ向かう。
 多摩川を多摩大橋経由で渡った。
 雨は上がらず、かといって、それ以上ひどくもならず、けれど、橋の上から見る多摩川はいつもののどかさではなく、少し怒っているかのような急流だった。

 この分なら、10分近く前にたどりつけそうだな。

 いつもの裏道を通って16号線に抜ける。
 ここからなら目と鼻の先だ。

 八王子IC入り口を抜け、いつも混んでいる、IC出口。。。
 警察が来ている。脇に車が止まっていて。。。
 事故、、、みたいだ。

 混み具合は半端じゃないが、車道と歩道の間の隙間をうまくすり抜け。

 前方から、ちょっと目を離した瞬間だった。
 進路変更してきた車が、急にKeiの目の前にあった。

 やばい!!

 ブレーキをかけちゃだめだ、加速するんだ。すり抜けろ!!

 瞬間、アクセルを開き、後輪が少しスリップする。

 間一髪のところで、すり抜け、事無き。。。セーフ。
 はあ。。。
 久しぶりにびびったぁ。。。
 ま、なんとかなって良かったよ、とほほ。

 いつもの通り、国際八王子教習所の駐輪場へ。
 やりぃ。屋根付きの駐輪場に空きがある。
 バイクを止め、メットを脱ぎ、さあ、荷物を。。。

 ない。。。

 無い。。。

 え???

 うそでしょ?

 え???

 無〜い。

 リュックが無い無い無い無い無い〜!!!!!!!!!!!!

 がーん!!!!!

 あれには、あれには、
 財布、社員証、クレジットカード、預金カード、各種プリペイドカード、教習券などなど。。。今持ってる全財産がぁ〜!?!?!?!?!?!?!?

 ……つづく。


次回予告

 雨にけむる東京のベッドタウン、多摩。
 Kei(仮名)は、たどり着いた教習所にて、リュックを落としてしまったことに気付く。
 来た道を戻る愛車ゼルビス。
「キキー!ばかやろー、気を付けろーっ!」
 迫り来る妨害者達。
「あのー、すみません。紛失物届けしたいんだけど。。。」
「あー、免許も落としちゃったのか。免許不携帯。バイク乗っちゃだめ」
おいポリスのおっさん……
 パフォパフォパフォパフォ。
「前のバイクー、左に寄って止まりなさーい」
 ちょっと待てよ〜;;
 果たして無事に、失ってしまった大切なものを取り戻すことができるのか?

 次回! 雨、舞い落ちる街(中編)に、ご期待ください。


#本物語はフィクションでありません。
 実在の人物・団体等は一切それそのものです。

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文責:Kei
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