ざうすけ(お絵かきソフト)

2000.12.27


■懺悔
 実は、自分は、夏町さんのサイトは、それほど巡回していませんでした。m(_ _)m
 個人的には、内蔵のお絵かきツールがカラーだし、そこそこ使えるものなので、まあいいや、と思っていたのです。また、ザウルスで絵を描く習慣?も無かったので、なんとなく気になりつつも、今まで実行したことがありませんでした。
 しかし、このMore、実はとんでもなく、高機能なMoreだったのです。自分が浅はか君でした、ごめんなさい。。

■ざう絵
 自分がざう絵という分野(?)を知るようになったきっかけは、まるとさんのWebサイトだったと記憶しています。まだ、igetiの登場前ではなかったでしょうか?
 訪れた夏町さんのサイトでは、自作のざう絵公開の他、ザウルスで絵を描くためのテクニックの紹介がありました。もちろんそのころは、ざうすけはまだ登場していなかったので、本体機能のフォトメモリーを使った手書きテクニックです。興味をそそられて、拝見させていただきました。いや、なるほどなあ、と感心したものです。(なんか偉そう……)
 そこでは、スクリーントーンのように、点描のパターンをはって、裏側の色と同じ色で、いらない部分を削る、というテクニックが公開されていたのです。ザウルスでは、点描パターンのペン先が無く、また太さも確か2段階しかなかったと思います。貼って削る、というテクニックは、なるほど、理論的だなあと思ったのです。
 そうやって描かれた手書き絵の数々は、確かに、濃い色や淡い色のタッチのバランスをうまく配置した濃淡の効いた絵に仕上がっていました。表現力豊なのです。
 これは確かに、他では出せない手書き絵の世界、「ざう絵」なのだと、ちょっと興味をひかれてたのです。

■ざうすけの登場
 ザウルスのフォトメモリーには、描くための最低限の機能しか搭載されていないと言えるでしょう。上述したようにペンや色パターンが少ない、など。それでもUNDOがあるというのは便利だったかもしれません。
 本格的に「ざう絵」を描くツールとして、夏町さん自ら作成してしまったMoreが「ざうすけ」です。もともと、ザウ絵を描いている夏町さんが作成しただけに、それは、とても洗練されているようでした。
 ところが、ここでも、自分はざうすけがカラー対応で無いことで、試すこともなかったのです。重ねて書きますが、これは、もともと、それほどザウルスで絵を描く嗜好が無かったということもあります。

■クリスマスプレゼント
 夏町さんが、アイクルーズを入手されている、という話は知っていました。なので、たぶん、いつかVGA版「ざうすけ」が出るだろう、そうも思っていました。
 そして、クリスマスプレゼントとして、突如VGA版(ただしalpha版)がお目見えしたのです。alpha版ということで、とりあげて良いものか悩んだのですが、ちょっと使ってみたところ、とてもおもしろかったので、レビュー書いてみました。素敵なプレゼントありがとうございます。

■マニュアル
 起動してみて、最初に表示されるのは、ファイル選択画面のようです。本体ファイルの絵でしょうか。自分は本体に画像ファイルを置いていなかったので、特に選択できません。新規縦、新規横、というボタンがありますので、これがお絵かき用紙選択かな、と押してみます。
 右側に、ツール類をまとめたランチャーが表示され、お絵かきモードとなります。あとは、思うままにペンを走らせるだけです。ですが、はじめての自分は、ちょっとランチャーのアイコンが何を意味しているのかわかりません。さあ、マニュアルを確認しましょう。
 マニュアルは、HTMLで、別リリースとなっているようでした。操作画面ごとに、各ボタンやアイコン、そしてHWキーの動作について、詳しく、かつわかりやすく説明されています。More自体の作成も大変だったと思うのですが、このマニュアルだって、作成するの、かなり大変そうです。おかげさまで、ほぼ機能を把握できました。

■マルチレイヤードアーキテクチャー
 上述したペン先の太さや、ペンパターンの細かさといったものも特徴だと思いますが、個人的には、やはり二枚のレイヤーを持つことが特徴では無いかな、と思います。PCで絵を描く人ならば、どんなに便利なことかわかるのではないでしょうか。残念ながら、自分は、PCでもお絵かきしないのですが。(^^;
 さて、レイヤーの概念は、二枚の紙をイメージすると分かりやすいのではないかな、と思います。二枚の薄手の紙に、別々に描いたものを重ねて透かしてみます。二つの絵が重なりました。上の紙からはもちろん下の紙をさわれません。その逆もまたしかり。レイヤとは、階層を意味します。
 要するに、ザウルス上での彩色は、輪郭線や、最初に塗った部分などを、さらに上から塗りつぶすことになってしまうのです。輪郭線の下に色をつけたい! そう思ったことはありませんか?
 レイヤはそういったことを可能にします。他にも、片方の絵を汚さないことから、さまざまな効果、テクニックを使えるでしょう。「ざうすけ」では、上と下の二枚しかありませんが、モノクロのため、逆にそれで十分ということもあります。
 実際、VGA機種画面での繊細な線は、簡単に塗りつぶされてしまうので、大変有効な機能であると思います。

■操作体系
 非常に良く練られていると感じました。ペン先を選んだり、ペンパターンを選べるパレットは、コンパクトにまとまっていて、絵のじゃまになることはほとんどありません。また、パレット類を出してなくとも、右側のHWキーの[カード]で切りかわるペンと消しゴム、[順送り]/[逆送り]で変わるペン先など、インターフェース的にも描いている間の思考を妨げないような、スムーズな切り替えが可能で、フォトメモリーとの違いをこんなところにも見ることができます。
 サポートフォーマットはBMPとJPEGで、本体の機能と連携(?)してデータを扱うこともできます。「ざうすけ」は、白黒2値で表現しますので、カラーJPEGファイルなどを読み込んだとき、モノクロに自動的に変換して扱います。「ざうすけ」のもう一つのモード、画像ビュアでは、カラー画像を表示することもできます。
 セーブなどのファイル機能などは、QVGA版から拡張されているのでしょうか?
 最初、マニュアルに従って、ツールランチャーの一番上にあるアイコンを押したのですが、画像破棄なようです。HWキーの[操作メニュー]押したところ、ランチャーが切り替わりました。ここに、FDのアイコンがありました。また、見慣れないボタンもあります。どうやら、画像全体の位置をずらしたり、白黒を入れ替えたりできるようです。からっぽのアイコンもあったようなのですが、どのような機能が実装されるか、楽しみですね。
 すごいのは、簡易ファイラ的な機能も持っていることです。また、BMPをJPEGに変換などもファイルメニューから実行することができます。高機能なMore、と最初に書いたのは、この辺の多機能な印象が強いからです。

■その他、などなど
 まだまだalpha版です。掲示板上では、夏町さんが確認されている不具合点もありました。試用する分には、自己責任で注意が必要です。これは、alphaやbeta版に限った話ではありませんが。でも、自分で使った機能の範囲では、まったく問題が起きてなく、限りなく実用的なMoreだったと思います。まだまだこれから楽しみな機能が実装されるのでしょう。
 それにしても、Web上で見ていたとはいえ、モノクロで、これだけの表現力があるものだとは驚きです。カラーカラーと言っていた自分が恥ずかしくなりました(^^;
 まだ、特に完成した絵があったりするのではないのですが、そのうち、うちのサイトの「役立たないブツ」のコーナーに置けたらなあ、などとも思ったりしました。いつになるのやらわかりませんが。(^^;

 でも、カラー対応してもらえるととっても嬉しいですね。(マテ

◆わっふるwonderland


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アイクルーズには他に、第二回Moreコンで入賞した、PhotoChotという、これまた高機能なカラー絵書きツールがあります。こちらも、レイヤーを三つもっていたり、完全カラー対応と非常に高機能なMoreです。比べてみるとおもしろいかもしれませんね。


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